公園近くの住宅価格をAI分析【東京23区】

広い公園の近くに住む「お買い得な」方法は？

都会でも、緑豊かな場所に住みたい、大きな公園の近くに住みたい。そのような希望を持つ東京都民も多いのではないでしょうか。

東京23区にも、多くの大きな公園があります。それでは、公園の近くは、住宅の価格は高いのでしょうか？「お買い得な」エリアは、あるのでしょうか？

AI不動産査定のPriceHubble（プライスハブル）が、東京23区の大規模公園（10万平米以上）付近の住宅価格をAI査定を使って分析しました。

サマリー

• 都心の公園近くのエリアは、価格が高く、昨年からの価格の上昇率も大きい
• 23区内でも、都心の3分の1程度の価格で、大きな公園の近くに住めるエリアもある
• 公園からの距離と住宅価格は、関係性が見られない。公園近くでも、駅から遠いなど、周辺よりも安いエリアもある

調査方法

それぞれの公園近くのエリアについて、PriceHubbleのAI査定モデルを使って、「標準的な中古マンション物件」の価格を算出しています。

実際の売出し物件のデータを使用すると、エリアごとに、含まれる物件の条件が異なってしまいます。AI査定を使うことで、同じ条件（68㎡、2005年築、鉄筋コンクリート造）で、それぞれのエリアの価格を比較しました。価格は、2021年6月30日時点での評価です。

住宅価格が高い公園トップ25

次の表は、周辺エリアの住宅価格が最も高い、公園トップ25です。

トップ3には、都心の有名公園、明治神宮外苑、代々木公園、芝公園がランクインしています。高級住宅街のあるエリアです。

また、価格の対前年度比を見ると、価格が高いエリアほど、1年前よりも値上がりしていることが分かります。

公園周りのエリアは、方角によって価格が異なる

以下は、住宅価格の高低をヒートマップとして表示した当社独自の「プライスマップ」です。例えば、代々木公園の周辺では、東側（原宿駅、明治神宮前駅方向）が特に高く、西側が比較的安くなっています。東は、山手線の内側なので、全般的に価格が高くなります。

このように、公園への徒歩分数が同じでも、公園からの方角によって価格は変わります。特定の公園の近くに住みたい人は、様々な方角のエリアで検討してみましょう。

芝公園付近では、北西（神谷町駅方向）が高く、南東が安くなっています。

公園からの距離と住宅価格は関係性が見られない

また、当調査では、公園からの距離と住宅価格の関係を調べました。

それぞれの公園について、公園すぐ近くのエリア（徒歩5分以内）、少し離れたエリア（徒歩5～7.5分）の平均的な価格を比較しました。以下の図の例で、青色が公園すぐ近く、赤色が少し離れたエリアです。

公園から近いエリアが高い公園もあれば、遠い方が高い公園もあります。全ての公園を平均すると、すぐ近くのエリア（徒歩5分以内）、少し離れたエリア（徒歩5～7.5分）の住宅価格は、ほぼ同じでした。

例えば、以下の目黒区「林試の森公園」のプライスマップをご覧ください。公園のすぐ近くより、東や南に離れた方が価格が高くなっています。それぞれ、不動前駅、武蔵小山駅があります。駅近の方が、公園に近いよりも価値が高いためだと考えられます。

反対に、公園の北西は、比較的安いエリアとなっています。どの駅からも遠いことが原因と思われます。筆者も近くに住んでいますが、公園に近いうえに、閑静で落ち着いた住宅地です。駅へのアクセスは、数分遠くなりますが、公園によく行く方には、お勧めしたいエリアです。

都心の公園近くに住みたいなら、駅から遠めのエリアを検討すると、少しお買い得な物件が見つかるかもしれません。

住宅価格が安い23区の公園～都心の3分の1程度の価格

次の表は、周辺エリアの住宅価格が安い、東京23区の大型公園です。都心の明治神宮外苑、代々木公園周辺と比べると、3分の1程度の価格で購入できます。

23区内のため、都心へのアクセスが良いエリアもあります。例えば、2位の舎人公園は、すぐ近くの舎人公園駅から東京駅まで40分弱です。

終わりに

本調査では、公園近くの住宅価格について、AI査定で比較しました。

都心から少し離れれば、東京23区内でも、都心の3分の1程度の価格で、大きな公園近くの中古マンションを購入できます。

また、公園からの距離が同じでも、駅から離れると、比較的安くなる可能性があります。

１）都心から離れる、２）駅から離れる、ことで、比較的お買い得に、大きな公園に近い住宅を見つけることができます。

コロナ禍で在宅時間が増えている昨今、「大きな公園近く」の観点での住宅探しはいかがでしょうか？